記事一覧

人の遺伝子を補う腸内細菌!日頃の調子を決定的に左右する腸内環境の重要性

お疲れ様です。今回は「人の遺伝子を補う腸内細菌!日頃の調子を決定的に左右する腸内環境の重要性」についてお伝えします。

腸が考えて、全身に命令を出す「第2の脳」

最近、「腸内環境」という言葉をよく耳にします。それだけ腸の役割や働きに大きな注目が集まっているようです。では、なぜ腸がそれほど重要なのでしょうか。現状分かっている範囲でお伝えします。

ここ数年、腸には複雑な神経ネットワークがあることが明らかになってきました。そうしたことから、腸は「第2の脳」と呼ばれるようになっています。

実は、人間を含めて生物の身体には、腸しかない時代があったのです。しかも、脳は腸と非常に似た構造をもっていることから、生物学的には腸が進化した1つの形が脳ではないかといわれたりしています。

ちなみに、原始的な生物には脳はありませんが、腸はあります。脳がないのに、どうやってものを考えたり、食欲を感じたりするのだろうと、疑問に思われるでしょう。実は、腸が考えて、全身に命令を出していると考えられています。つまり、腸は生物にとっては脳であるわけです。ミミズなどがその例です。

では、脳と腸の両方がある人間はどうでしょうか。人間の場合、脳と腸の両方でものを考えていると見られています。その理由は、腸内でつくられた神経伝達物質、つまり、ホルモンが脳に運ばれて使われたりしているからです。

腸内細菌が大事といわれるのは、そのバランスによって、体の中でどのホルモンが使われるかが決まるからです。そして、脳をはじめ、自分たちの身体の環境が動いていくわけですから、むしろ腸は「第1の脳」ではないかという話もあるほどです。

腸内のマイクロバイオータとマイクロバイオーム

ここで、腸がもつ衝撃的な能力を紹介しようと思いますが、まずは専門用語を紹介します。腸内細菌にはいろいろありますが、腸内の微生物群のことを「マイクロバイオータ」といいます。さらに、その微生物群は様々な遺伝子を持っていて、ゲノム情報の総体を「マイクロバイオーム」といいます。

マイクロバイオームは、「人の遺伝子を補う腸内細菌の遺伝子群」と説明されていますが、これはすごいことだと思います。というのも、腸内細菌が人間の遺伝子を調整していることになるからです。

多くの人は、遺伝子というのは全て自分自身が持っているものだと思っているのではないでしょうか。でも、実際はなんと、99%の遺伝子は腸内細菌がもっているのです。

なぜこのような仕組みになっているのかというと、遺伝子の数が増えれば増えるほど、コピーするのが大変になり、ミスや欠損が増えます。そのため、「セロトニンと免疫は腸内細菌が調整してくれる」というように、腸内細菌が持っている遺伝子は腸に任せることにしたのです。

赤ちゃんが自然分娩で生まれると、赤ちゃんは母親の腸内細菌やマイクロバイオータを受け継ぎ、免疫や腸内細菌、腸内フローラなどを獲得していきます。つまり、親から遺伝子と一緒にマイクロバイオータも受け継いでいるわけです。

腸内細菌を整えると不調が消え、体調が良くなる

ですから、腸内細菌がいなくなると、遺伝子の99%が失われるため、体にとっては非常に危険な状態になります。

実験でも、無菌室のような腸内細菌がいない環境で育てたマウスは、極端にリスクを恐れなくなるなど、自分を守る能力がなくなるという弊害が起こります。このことから、子供を抗菌状態で育てるのはあまり良くないのではないかといわれるようになっています。

実際に、子供のころにペットに触れる機会が少なかったり、抗菌や煮沸消毒が徹底されたりした環境で育つと、喘息やアレルギーになりやすくなります

逆に考えると、体の不調は、腸内細菌を補うことで改善されるのではないかという仮説を立てることができます。無菌室のマウスの実験でも、普通の環境で育てられたマウスの腸内細菌を移植すると正常な機能を取り戻すことがわかっています。

腸内細菌の形成は子供のころに行われるのですが、この時に一度きちんと形成されれば、菌がある程度残るため、大人になってからその能力を失ったとしても、腸内細菌を整えることで健康な状態に戻れるといわれています。ぜひ、参考にしてみてください。

今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。

ABOUT ME
Takaブログ
ストレスによる体調不良をきっかけに、体調管理・ヘルスケア・心理学等に関しての情報収集及び実践を繰り返しながら、日常生活のパフォーマンス向上に努めるようになった。 このブログでは上記の内容を中心に「科学的根拠のある情報」を発信しています。