お疲れ様です。今回は「日本人の睡眠不足が酷い!パフォーマンス向上に繋げる睡眠の質を高める快眠環境づくり」についてお伝えします。
日本は世界でも睡眠不足の酷い国
睡眠の重要性を疑う人はいないでしょう。寝不足の翌日は誰でも心と体が満足に動きませんし、アンチエイジングへの重要性を示したデータにも事欠きません。
近年の事例では米国ユニバーシティ・ホスピタルズの試験が有名で、研究チームは60人の女性に紫外線を当てて意図的に肌のバリアを破壊。それから72時間後に全員の皮膚を調べたところ、睡眠の質が低い人は肌の回復力が30%低く、3日過ぎても元の状態に戻らないままでした。同時に、日頃から寝不足の女性は肥満率が20%高い傾向も確認され、睡眠が外見に及ぼす影響の大きさをあらためて浮き彫りにしました。
しかし、誰もが重要性を認める一方で、いまだ睡眠に悩む人が多いのが現状です。特に日本は世界でも睡眠不足の酷い国として知られ、OECDの調査によれば、毎晩6時間未満しか眠れていない人が全人口の4割を占めます。
もちろん「通勤時間の長さ」や「残業の多さ」といった日本固有の原因もありますが、そもそも睡眠には「これさえやっておけば大丈夫」というテクニックが存在しないのも大きな理由のひとつでしょう。
ぐっすりと眠るためには、適切な栄養、寝室の環境、眠りに対する脳の解釈、更には「あなたが人生にどれだけの意味を感じているのか?」といった壮大な要素までが関わってくることが分かってきたからです。
つまり、最高の眠りを目指すには、やれることを片っ端から試すしかありません。今回は環境改善に関してのテクニックをお伝えします。
寝室の温度は18~19℃にし、深部体温を下げる
通常、あなたの体内温度は就寝とともに低下を始め、午前5時頃まで下がり続けます。体内の熱が放出されたおかげで身体の活動がゆったりとしたペースに変わり、これが眠気を引き起こすわけです。
ところが、ここで室内の温度が高すぎるとうまく体内温度を調整できず、睡眠の乱れに繋がります。室温と快眠の関係についてはハーバードやケンブリッジが複数の調査を行っており、76万5000人を対象にした調査でも「寝室の温度は18.3度近辺に保つのが理想」との結果で一貫しています。
「18度まで下げたら寒くて眠れない」と思われそうですが、冷え性と体内の温度は別の話。冷え性はあくまで身体の表面に血液が十分に回らない状態であり、深部体温を下げないと眠れないのは寒がりの人も同じです。ぜひとも室内はクールな状態を保つようにしてください。
覚醒レベルが上がるため、寝室に時計を置かない
寝床に入ってもなかなか寝付けない人は、室内の時計を置かないのも手です。壁掛け時計はもちろん、腕時計のように時間を知らせるものは全て除きましょう。
理由は簡単で、うまく眠るのが苦手な人は、寝付けない状態で時計を見たときに「こんな時間なのにまだ起きてる…寝ないと…。」のようにいらぬ不安を抱く傾向が強いからです。更に、時計は現代人にとって起床の役目としての意味合いも強いため、夜中に時計を見るだけで覚醒レベルが上がってしまうケースも珍しくありません。
夜中に無駄な不安を感じないためにも、寝室から時計は除いておきましょう。
寝る前に換気を行い、室内の二酸化炭素濃度を下げる
快眠を妨げる問題としては、二酸化炭素も見逃せません。
寝室の換気が睡眠の質を大きく左右するのは有名な事実で、デンマーク工科大学のテストでは、換気をしない部屋で1週間を過ごした被験者は、一様に翌日の気分が下がり、日中の眠気が増大しました。
一方で、換気した部屋で過ごした被験者は集中力が上がり、論理的な思考力を問うテストの成績まで上がったそうです。室内の二酸化炭素量で睡眠の質が大きく変わるのは間違いありません。
やり方としては、寝る前に5~10分ぐらい窓を開けておけば大丈夫です。それだけで睡眠の質は確実に上がります。
オフィスワーカーにおける認知機能スコアと二酸化炭素、換気、および揮発性有機化合物曝露との関連:グリーンおよび従来のオフィス環境の制御された曝露研究 |環境衛生の視点 |124巻6号 (nih.gov)
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