お疲れ様です。今回は「腸内環境やメンタル改善、睡眠の質向上にも役立つ食事法」についてお伝えします。
地中海食でメンタル改善、睡眠の質向上
地中海食は1960年代にギリシャやイタリアなどで食材や料理を模した食事法のことで、ここ10数年で、アンチエイジング効果が広く知られるようになってきました。
最も信頼性が高いのはマギル大学のメタ分析で、998件のデータを精査したうえで地中海食は低脂肪食や糖質制限より体重減少の効果が大きく、コレステロール値も改善しやすいとの結果が得られています。
その他にもメンタルの改善や睡眠の質の向上、腸内環境の改善と病気リスクの低下などが報告されており、数ある健康食のなかでも検証データの数はトップクラスです。
地中海式ダイエットが体に良い理由は多々ありますが、多くの研究者は「手軽にカロリーの質を上げられる」という点を重視しています。糖質制限、低脂肪食、ベジタリアンなどと比べて食べてはいけない食材が少ないため、他の食事法より実施しやすいからです。
新鮮な野菜や魚介類を積極的に摂取
地中海食では、カロリーの質が高い新鮮な野菜や魚介類を積極的に摂取するのが特徴です。カロリーの質が高い食品には、大きく4つの共通点があります。
- 満足度:どれだけ素早く満腹感を与えてくれるか
- 栄養価:総カロリーのうち、どれだけ豊富にビタミンやミネラル、必須脂肪酸、必須アミノ酸が含まれているか
- 吸収率:摂取したカロリーが、どれだけのスピードで体脂肪に変わるか
- 効率性:摂取カロリーのうち、どれだけの量が体脂肪に変わるか
できるだけ1食あたりの満足度と栄養価が高く、それでいて体脂肪になりにくい食品ほど「高品質」だというわけです。この基準に沿って考えると、カロリーの質が高い食品のトップ3は次のようになります。
- ①低糖質な野菜
ほうれん草、ブロッコリー、キャベツといった緑系の野菜は、カロリーの質がトップの食品群です。食物繊維のおかげで満腹感が得やすく、総カロリーあたりの栄養も豊富で「4つの基準」を全て満たしています。
- ②肉、魚、卵
肉類のタンパク質には満腹感を高める働きがあり、同時に必須脂肪やビタミンも得られます。緑系の野菜に比べると総カロリーあたりの満足度が低く、育成環境によって品質の差が大きいのがやや難点です。
- ③フルーツ、高糖質な野菜
サツマイモやカボチャのように糖質が多い野菜やフルーツはポリフェノールが豊富で満腹感も問題ありませんが、糖質が多い分だけ総カロリーあたりの栄養価は下がってしまいます。
「カロリーの質が高い食事」とは、加工食品を減らし、野菜をたくさん食べ、上等な肉と魚を厳選した食事に他なりません。ジャンクフードの悪影響や野菜のメリットは、過去に何度も言われてきたことであり、あらためて主張するほどのことではないと思います。
ストレスを溜めないために、完璧にこだわり過ぎない
地中海食を取り入れる際には、次のポイントに注意して下さい。
- 地中海食を「完璧な食事」だと思わない
- 「絶対的に体に悪い食品」を想定しない
ひとつめは、地中海食を最高の食事法だとは思ってはいけないという点。データの裏付けが多い手法なのは確実ですが、細かい点では異論も見られるからです。
例えば、地中海食で推奨される全粒粉には、2017年のメタ分析で「心疾患リスクを下げるメリットは確認されなかった」と報告されており、アンチエイジング効果に疑問がみられました。
心血管疾患の一次または二次予防のための全粒穀物 – Kelly, SAM – 2017 |コクラン・ライブラリ (cochranelibrary.com)
同じく、地中海食では赤ワインの効能がうたわれていますが、近年の大規模研究では「アルコールは一滴でも体に悪い」との見解が主流になりつつあります。
195の国と地域のアルコール使用と負担、1990〜2016年:2016年の世界疾病負荷研究の体系的分析 – The Lancet
このあたりはまだ議論が分かれるところであり、「完璧な食事」を追い求めても答えは出ません。
完璧にこだわり過ぎてストレスを溜めないように、ゆるりと継続するように心掛けてください。
ふたつめの注意は、特定の食品を悪玉にしてはいけないという点です。世の中に絶対的に悪い食べ物は存在せず、ジャンクフード等、食べてすぐ体の老化に繋がるわけではありません。必要以上に怖がると、仕事の会食や友人との付き合いに参加できなくなり、生活の質が下がりかねません。
長い人生では、ポテトやハンバーガーを食べたほうが人生を楽しめる場面もあります。全体の食事の10%ほどは、地中海食から外れる余裕を残しておきましょう。
私も時々は、YouTubeを観つつ、ポテチや唐揚げを食べながら晩酌したりして楽しんでいます。
今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。
今後も役に立つ情報を発信していきます。