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悩みを包み隠さず書き出して鬱や不安を改善し、ストレスも軽減させよう

お疲れ様です。今回は「悩みを包み隠さず書き出して鬱や不安を改善し、ストレスも軽減させよう」についてお伝えします。

その方法とは、「エクスプレッシブ・ライティング」です。

ストレス対策の筆頭「エクスプレッシブ・ライティング」

エクスプレッシブ・ライティング」は、1980年代に生まれた心理療法です。現在では、認知行動療法のテクニックのひとつとしてよく使われています。その方法は、簡単にいえば、

  • 自分が体験したネガティブな経験について、その時に抱いた感情や思考を包み隠さず書き記す

となります。日記帳に不満を書いたり、非公開のSNSに悩みを書き込んだりと、誰に見られない場所に日々のストレスを吐き出した経験がある人は少なくないと思います。これも立派な「エクスプレッシブ・ライティング」です。ここでは、どんなことを書いても構いません。

「あんであの先輩はあんなに態度が大きいのか…腹立つ」「ネットの回線が悪くて繋がらない…何もできんからイライラする」「悩んでいるはずなのに、何に悩んでいるのか分からなくなった…。でも泣きそう」

あなたがイライラしたりネガティブな気持ちになった出来事であれば、どんな小さなことでも大丈夫です。どうせ誰も見ないのだから、安心してストレスを吐き出しましょう。

とてもシンプルな方法ですが、すでに数百を超す実証研究があり、不安やストレスへの効果が広く認められています。現時点では、真っ先に取り組むべきストレス対策の筆頭です。

鬱や不安が改善し、幸福感の高まりや認知機能の改善にも

「エクスプレッシブ・ライティング」の生みの親である、ジェームズ・ペネベーカー博士は、自著で次のように述べています。

「数々の研究により、エクスプレッシブ・ライティングを行った被験者は幸福感が高まり、ネガティブな感情が減った。さらには、数か月で鬱や不安が改善し、ストレスが穏やかになる傾向も見られた。その他の研究でも、全体的な幸福感の高まりや、認知機能の改善などが確認されている」

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つまり、「エクスプレッシブ・ライティング」を実践すれば、ストレスに強くなるだけでなく、幸せな気分でいられる上に、頭まで良くなるわけです。

ここまで効果が高いのは、悩みやイライラを書き出すことで、いったん心配事を棚卸しできるからです。

ミシガン大学の研究チームは、「エクスプレッシブ・ライティング」の効果を検証した2017年の論文でこう述べています。

「心配事は、認知のリソースを消費してしまう。要するに、ストレスが多い人というのは、いつもマルチタスクで作業をしているようなものだ。このような人たちは、一つの作業をしながらも、一方では自分の心配事を観察しつつ、更にはその感情を抑えようとしている。

しかし、エクスプレッシブ・ライティングで悩みをいったん外に吐き出せば、認知のリソースは解放され、もっと脳を効率よく使えるようになる

慢性的な心配を持つ個人のエラー関連否定性に対する表現力豊かなライティングの影響 – Schroder – 2018 – 心理生理学 – Wiley Online Library

ストレスが多い人の脳は、一つの作業に集中しているつもりでも、自然と複数の問題に処理機能を使っています。そのため、イライラや不安が大きくなるほど、私たちは脳を上手く使えなくなってしまうのです。

ところが、ここで自分の悩みを書き出すと、脳が悩みやイライラのために能力を使う必要が減ります。すると、ストレスによる脳機能の低下が抑えられ、心から重荷が降りたような効果が得られるわけです。

実践する3つのポイント

具体的なやり方を見ていきましょう。仕事やプライベートでストレスを感じたら、次の3つのポイントに注意してください。

  • 最低でも4日間は継続する

多くの研究によれば、最低でも4日連続で自分の感情を書き続けないと効果は減少してしまいます。実践する時間帯は、仕事が終わった直後や寝る前がベストタイミングです。面倒だと思っても、とりあえず4日だけは続けてください。

  • 1日20分は書き続ける

エクスプレッシブ・ライティングを実施する際は、必ず1日に20分以上は書き続ける必要があります。その際には、文章の上手さや誤字脱字に拘らず、ひたすら自分の悩みをノンストップで書きなぐるのがコツです。同じ悩みや不安を4日間続けて書いても大丈夫です。

  • 慣れたら悩みを展開する

慣れてきたら、悩みを展開していくことを考えましょう。例えば、「心身の不調が続いている…」という悩みをノートに書いていた場合は、

「この不調は、家族や友人にどんな影響を与えるだろうか?」「この不調は、自分の過去と未来にどう繋がるだろうか?」

といった質問を自分に問いかけ、ストレスがあなたの人生に与える影響まで内容を広げていきます。こうすることで、「自分はどんな感情を抱いているのか?」に深く気づくことができ、ストレスを客観的に見る視点が育つのです。

とにかく大事なのは、書くことで自分の気持ちをクリアにし、自分のストレスにはっきりした形を与えてあげることです。空き時間を利用して、ぜひ実践してみてください。

間違いを書く:表現力豊かな文章を通じて許しを促進する – キャサリン・ロメロ、2008年 (sagepub.com)

私の場合は、最近は全く実践してなかったので、今日から再開して何とか継続しよう…。

今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。

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Takaブログ
ストレスによる体調不良をきっかけに、体調管理・ヘルスケア・心理学等に関しての情報収集及び実践を繰り返しながら、日常生活のパフォーマンス向上に努めるようになった。 このブログでは上記の内容を中心に「科学的根拠のある情報」を発信しています。