お疲れ様です。今回は「薬物治療と同レベル!呼吸瞑想で鬱・不安・慢性痛・ストレス改善」をお伝えします。
瞑想は薬物治療と同じレベルの効果がある
瞑想というとスピリチュアルな印象がありますが、ここ数年はメンタルの改善効果が認められ、企業が研修に取り入れるケースも増えてきました。
数ある瞑想研究の中でも信頼性が高いのは、2015年にジョンズ・ホプキンス大学から出た論文です。過去に行われた約2万件の瞑想実験から質が高いデータだけを選んだもので、現時点では一番バランスが取れた内容になっています。その結論は次のようなものでした。
「うつ、不安、慢性痛に対しては、瞑想は薬物治療と同じレベルの効果がある」
心理的ストレスとウェルビーイングのための瞑想プログラム:システマティックレビューとメタアナリシス |補完代替医療 |JAMA内科学 |JAMAネットワーク (jamanetwork.com)
ひとまず、うつや不安、慢性痛等に関しては、科学的根拠が出たと考えて大丈夫です。論文によれば、うつや不安の対策に使う場合は、1日に30~40分の瞑想を8週間ほど続ければ効果が得られるとのこと。8週間も続けるのは大変ですが、試す価値は大いにあります。
意識を戻す度に集中力が鍛えられる
瞑想には様々な種類がありますが、最も定番のテクニックとして多くの実験で使われているのが次の手法です。
- 1.リラックスして座る
できるだけ静かな部屋を選び、照明はやや暗めにします。背筋を伸ばして座り、30~40分にセットしたタイマーをスタートさせます。
- 2.深呼吸を3回する
鼻で深呼吸を3回して、鼻の穴に息が当たる感覚をチェックします。おそらく、鼻孔のフチか鼻の奥あたりが、最も空気の動きを感じやすいはずです。そこが、瞑想中に意識を集中させるポイントになります。
- 3.呼吸に意識を向ける
呼吸をするたびに、ステップ2で確認したポイントに意識を向け続けます。この時、わざと呼吸を遅くしたり、深い呼吸をしようと頑張ったりはしないでください。別に焦って呼吸が荒くなっても構いませんし、もちろん落ち着いた呼吸でも大丈夫です。あくまで自然な呼吸を心掛けるのがポイントです。
また、呼吸に意識を向ける際は、「集中しないと!」と力むのではなく、ボーっと呼吸を見つめるような感覚で行ってください。「今の呼吸は前より短かったな…」「鼻の奥で空気が行き来している…」「鼻孔が少しくすぐったい…」など、とにかく呼吸にさえ意識が向かっていれば大丈夫です。ここが、瞑想で最も重要なパートであり、最も難しいところでもあります。
- 4.注意がそれたらゆっくり呼吸に意識を戻す
瞑想中に「家族の心配」や「過去のネガティブな記憶」などが浮かんできたら、そのたびにゆっくりと呼吸に意識を戻しましょう。ここで大事なのは、「また気がそれた…」「自分は瞑想に集中できない…」などと思わないことです。元々、人間の意識は一点に集中し続けられないようにできています。意識を戻すたびに必ず集中力は増していくので、淡々と呼吸に注意を戻しましょう。あとはタイマーが鳴るまでひたすらこの作業の繰り返しです。
瞑想が受容の精神を育み、心に余裕ができる
このように、瞑想の基本はシンプルなので、「これで本当にメンタルが改善するのか?」という疑問に悩んでしまうかもしれません。
しかし、最初のうちは何の変化も感じられなくても、呼吸に意識を戻すたびに、私たちの脳は確実に変化しています。まずは8週間だけ続けてみて下さい。必ず変化を感じられる日がやってきます。
なぜ瞑想でストレスに強くなるのかは、実はまだよく分かっていません。瞑想で脳の機能が変わる、ホルモンバランスが調整される、体内の不調が治る…。諸説はあるものの、まだ決定打は出ていない状況です。
ですが、瞑想が「受容の精神」を育むのに役立つのは大きなポイントです。突然不安を感じてもとりあえず呼吸に意識を戻し、激しい怒りが湧いても呼吸に意識を戻し、楽しい空想が頭に浮かんでも呼吸に意識を戻す…。
そんな作業を継続していると、いつしか自分の中に「どんな感情も時間が過ぎれば消えていくな…」という認識が生まれます。もちろん、それでも不安やイライラがしつこく頭に残ることもありますが、ずっとネガティブな感情が同じ勢いを保ち続ける方が珍しいでしょう。
ここから、更に瞑想を続けていくと、やがて私たちの心に余裕ができ始めます。どんなネガティブな感情が出てきても、「いつもの不安が出てきたな…」や「謎のモヤモヤが出てきたな…」といった態度を取れるようになり、すぐさまネガティブな感情に巻き込まれないようになるのです。ぜひ、取り入れてみてください。
今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。