お疲れ様です。今回は「手軽に不安や緊張などのストレス対策!複雑なテクニックよりも深呼吸で脳の警戒心を解除」についてお伝えします。
複雑なテクニックよりも深呼吸の方が効果は大きい
不安や緊張を感じた時に深呼吸をする人は多いでしょう。大事な面接の前やスピーチの直前など、深く息を吸い込んで気持ちを落ち着かせるのは、ストレス対策としては定番中の定番です。
その正当性は、1980年代からの研究で何度も裏づけされています。最も有名なのは、アメリカのペンシルバニア大学による調査です。
A META-ANALYSIS OF THERAPY OUTCOME RESEARCH WITH TEST ANXIOUS COLLEGE STUDENTS – ProQuest
このなかで研究チームは、過去78件のデータを徹底的に洗い出し、「テスト期間中の学生のストレスを減らすにはどのテクニックが必要なのか?」を調べました。「ポジティブシンキング」「タイムマネージメント」「明確なゴールの設定」といった手法のなかから、学生のメンタルを健やかに保つための最良の方法を選び抜いたのです。
その結果は、意外なことに「深呼吸がベスト」でした。もちろん、その他の手法にも効果は確認されたものの、手軽さと即効性の面からいえば、呼吸のトレーニングに勝るストレス解消法はありませんでした。
これらのデータを受けて、近年のアメリカでは、警察官や証券トレーダー、顧客オペレーターの世界などでも呼吸法トレーニングを取り入れるケースが増えています。息を深く吸うだけでいいのだから、確かにこれほど簡単なストレス対策もありません。
呼吸を変えてイライラを抑え、脳の警戒心をなだめてあげる
これほどまで呼吸法の効果が高いのは、息のリズムを変えることで、人間のストレスシステムへ直に介入できるからです。
一般的に人間の体は、不安やイライラを感じると心拍数が上がって全身が緊張し、脳に酸素を送るために息が荒くなります。これは、まだ人類が古代のサバンナで暮らしていた頃に出来上がった防衛システムで、とっさの危険に対して、全身にエネルギーを行きわたらせるために進化しました。
ところが、ここでわざと呼吸を遅くすると、私たちの脳はセキュリティシステムを解除し、同時に心拍数が下がって体の緊張もゆるんでいきます。これは、呼吸が変わったせいでストレスシステムに「危険が去った」とのシグナルが送られ、脳の警戒心が解除されたために起きる現象です。
これで完全に緊張が解けるわけではないものの、呼吸のリズムさえ整えれば、私たちのストレスシステムは確実に良い方向に影響を受けます。お金も時間もかからずにこれだけの効果があるのだから、試さない手はないでしょう。
腹式呼吸で正しい感覚をつかむ
あなたは、ちゃんと呼吸しているでしょうか?
こう聞かれれば、大半の人は「当たり前だ」と思うでしょうが、実は日常的に正しく呼吸できている人は意外なほど少ないものです。
体とメンタルは強く連動しているため、ストレスレベルが高くなるほどあなたの呼吸が悪化。一時的に無呼吸になったり、激しく肩が上下したり、胸だけをふくらませて肺に酸素を送り込んだりと、気づかぬうちに不自然な状態になってしまいます。これではストレスは悪化するばかりです。
この問題を防ぐためには、まずは「正しい呼吸とはどういう状態か?」を体に教え込まねばなりません。具体的には、次のような手順で行なってください。
- 1.床などの固い地面に横たわる
- 2.右手をお腹の上に置き、左手を胸の上に置く
- 3.その状態で呼吸を続ける
この時、正しく呼吸ができていれば、お腹に置いた手だけがリズミカルに上下し、胸に置いた手はほとんど動きません。いわゆる腹式呼吸のことで、この状態をキープするだけでもストレスは大きく下がります。
固い地面に横たわると、大半の人は、自然とお腹だけで呼吸を行うようになります。是非、実践してみてください。
今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。