お疲れ様です。今回は「寝る前にタンパク質を摂取して睡眠改善と快眠に最適な入浴時間」についてお伝えします。
労力はかかりますが、それだけに行動をした際の効果はかなり大きいです。実践の難易度と効果のバランスが良いテクニックを紹介します。
寝る前にタンパク質を摂取して睡眠改善
睡眠の質を上げるには、寝る前に適量のタンパク質を摂るのが重要です。タンパク質には睡眠ホルモンの材料が入っており、体内に十分な量がないと、夜になっても眠気が出にくくなります。
そこで参考になるのが、シンガポール国立大学などが行ったメタ分析です。研究チームは15の観察研究と4つの比較試験を精査し、夜中に眠れる人と眠れない人の違いを調べ上げて2つのポイントを抽出しました。
- 良く眠れている人ほどタンパク質の摂取量が多く、タンパク質が少ない人より睡眠時間が約12%長い
- 総摂取カロリーの25~30%程のタンパク質を摂ると睡眠が改善しやすい
1日の維持カロリーが2000キロカロリーの人が睡眠の質を上げるためには、だいたい500~600キロカロリー分のタンパク質を摂取する必要があります。グラムに換算すると1日125~150gであり、意識して多めのタンパク質を心がけないと達成できないレベルです。これは、皮なしの鶏むね肉でおよそ600gもの量になります。
高タンパク食に慣れていない人は、体重1kgあたり1.2~1.4gのタンパク質から始めて、睡眠の質が改善したかどうかを確認してみてください。
入浴の時間帯と温度を調整し、快眠な状態へ
寝る前に風呂やシャワーで身体を温めるのは、快眠行動の定番かと思います。体を温めたぶんだけ就寝時に体内温度が下がり、眠りにつきやすくなります。
2019年にテキサス大学のチームがメタ分析を行い、この効果を最大化する方法を調べてくれました。
睡眠を改善するための温かいシャワーまたはお風呂による就寝前の受動的な体温加熱:システマティックレビューとメタアナリシス – ScienceDirect
17の先行研究をもとに、「快眠レベルを高める最高の入浴の仕方、シャワーの浴び方」を調べた内容で、全てのデータをまとめて出た結論は、
「寝る前の1時間半~2時間前に40~43℃の風呂に浸かる、又はシャワーを5~10分浴びるのがベスト」
というものでした。このガイドラインを守ると、入眠時間が平均で10分短くなると報告されており、寝つきの悪さに悩んでいる人はぜひ試してみてください。
言い換えれば、体を温めてから体内温度が下がるまで平均90分かかるため、寝る直前にシャワーや風呂に入ると睡眠に悪影響を及ぼす危険性があるので気をつけてください。
食物繊維で腸内環境を改善し、睡眠の質も向上
食物繊維が体に良いのは常識ですが、睡眠の改善にも繋がります。2016年の実験では、研究チームが用意した食事を4日ほど被験者に与えたところ、食物繊維を大量に摂取したグループほど睡眠の質が上がり、翌日の疲労感も大幅に減少しました。
一方で、パンや動物性の脂肪を多く食べた被験者は睡眠が浅くなり、夜間の覚醒も増えやすくなる傾向が認められました。言い換えれば、お菓子や脂身の多いステーキは眠りを妨げ、野菜やフルーツは睡眠の質を上げてくれます。
食物繊維が睡眠改善に繋がる理由は大きく2つで、1つ目は血糖値の乱高下を防ぐ働きがあるからです。パンやお菓子を食べると、あなたの身体は糖質に反応してインスリンを吐き出し、これが体を覚醒状態に変えます。ここで食物繊維を大量に摂っておけば急激なインスリンの分泌がなくなり、無駄に体を目覚めさせずに済むのです。
もう1つが、食物繊維で腸内環境が改善し、おかげで睡眠も改善していくパターンです。摂取した食物繊維は腸内で細菌のエサになり、酪酸と呼ばれる脂肪酸に変えます。酪酸は腸壁を保護するバリアとして働くため、体内の量が増えるほど、私たちの腸はバクテリアやアレルゲンへの抵抗力が向上します。よって、体が安心して休憩を取れるようになるのです。
腸内で酪酸が増えやすい食物繊維を含む食材は、バナナ、リンゴ、ニンニク、玉ねぎ、ジャガイモ、人参、アスパラガス等です。
サプリメントだと、フラクトオリゴ糖、イヌリン、レジスタントスターチ、ペクチン等です。サプリを使う場合は、1回3gから始めて、下痢やガスの発生などの副作用が出ないかどうかを確かめつつ、少しずつ量を増やして様子をみてください。
今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。