お疲れ様です。今回は「腰痛治療ほどデタラメな世界はない！神経組織にダメージを及ぼす危険な手術と本当に必要なシンプルすぎる解決方法」についてお伝えします。
腰痛治療ほどデタラメが多い世界はない
世に怪しい治療法は多かれど、最もデタラメが多いのが「腰痛治療」の世界です。
テレビや雑誌では「背骨を伸ばせば痛みが減る」や「腰を反る体操をすれば大丈夫」といったテクニックが取り上げられていますが、実はこれらの対策には何の根拠もありません。というのも、今の時点では専門の医師ですら腰痛の原因をほぼ特定できないのが現状だからです。
その事実を示したのが、「腰痛診療のガイドライン」という文書です。
これは、欧州諸国の研究チームが「本当に正しい腰痛治療とはなにか？」という問題について、信頼度が高いデータだけを抜き出したもの。科学的に見て、最も正確な腰痛対策がまとめられています。
このガイドラインでまず押さえておくべきは、「およそ80～85％のケースでは、専門家も腰痛の原因がわかっていない」という事実です。
一部の書籍や雑誌では「腰痛は背骨のズレや椎間板ヘルニアが原因」などとしていますが、実際には物理的な原因で腰痛が起きるケースは全体の5％しかありません。つまり、多くの専門家はレントゲン写真を見ながら当てずっぽうに近い診断を下しているのが現状、というわけです。これではデタラメな治療法が広まるのも当然でしょう。
効果が無い上、神経組織にダメージを残す危険性がある
更に現代の腰痛治療が問題なのは、診断が難しいだけでなく危険性をともなうところです。一例をあげましょう。
- 「脊椎固定術」は、成功率が35％しかない。更に、太り気味の人、痛み止めを常用している人は、手術で痛みが減る可能性は低くなる。つまり本当に腰痛に苦しんでいる人ほど、手術のメリットが出づらい。
- 2009年にフロリダで行われた会議では、100人中99人の外科医が「脊椎固定術は推奨しない」と解答した。それにもかかわらず、1990年代から近年にかけて手術が行われる件数は600％もはね上がっている。
- 「減圧治療」は、「脊椎固定術」に比べれば良い結果が出ているが、神経組織にダメージを残す可能性がある。
つまり、定番の腰痛手術には大した効果が無い上に、体に消えないダメージを残す危険性もあるわけです。はっきりと骨や神経に損傷がある場合は別ですが、安易に腰痛手術に手を出すべきではありません。
更に、この「腰痛診療のガイドライン」では、手術以外の治療法もメッタ斬りにされています。
多数のデータを分析した結果によれば、鍼治療、カイロプラクティック、マッサージ、腰痛体操などのテクニックはほぼ効果ゼロ。わざわざ金を払うほどのメリットがある治療法は存在しない、との結論です。
皆さんの中には、カイロプラクティックやマッサージで痛みが消えた経験をお持ちの方もいるでしょうが、これは、体を刺激されたせいで脳内にエンドルフィン（天然の痛み止めホルモン）が分泌されて、一時的に痛みが治まっただけの話。エンドルフィンの効果は長続きしないため、1日もすれば痛みはぶり返してしまいます。
一部のマッサージ店では、「何度か通えばもっと長く痛みが消えるようになる」といった説明をするケースもありますが、これは人体の痛み止めシステムを悪用したデタラメです。
リラックス目的でマッサージに行くのはいいとして、痛みの治療のために通うと金を無駄に使うことになるでしょう。
本当に腰痛を治すにはどうすればいいのか？
それでは、腰痛を治すにはどうすればいいのでしょうか？ 世間で使われる方法の大半が無駄なら、腰痛を和らげる手段はないのでしょうか？
この疑問に対して、「腰痛診療のガイドライン」は驚くべき提案をしています。その内容とは、次のようなものです。
- 腰痛の原因はほぼ心理的なものだから、気にしないで放っておくべし
なんと、大半の腰痛は心理的なストレスが原因なので、余計なことさえしなければ問題なし。あとはいつものように過ごしていれば自然に回復していくはず、というのです。
もちろん、しつこい腰痛に悩んでいる人が、この説明をすぐには納得できないでしょう。腰痛持ちにとって「激しい痛み」は紛れもなく現実であり、心理的なものだとは考えづらいのが普通です。
腰痛の原因は「ストレス」、手軽な対策は「運動」
その一方では、信頼性の高いデータが「腰痛の原因はストレスだ」と示しているのも事実です。特に近年ではカウンセリングで腰痛が治った事例が多く、2015年にハーバード大学が行なった大規模な調査でも、腰痛の治療に心理療法を推奨しています。
もしも、これまでに整体やマッサージで思ったような成果が出なかったときは、心理カウンセリングを試すのも手でしょう。特に検証データの数が多い「認知行動療法」がおすすめです。
もっとも近年では、高額な心理カウンセリングよりも、手軽に腰痛を和らげる方法も見つかっています。それは「運動」です。
2016年にオーストラリアのシドニー大学が行なった調査によれば、腰痛ベルトや腰痛予防インソールなどのグッズには何の効果もなく、全てお金の無駄とのこと。
一方で定期的にエクササイズを行なった場合は、1年で腰痛が起きるリスクが35％も下がります。
この研究は約3万人のデータを精査したもので、信頼性は大。ウォーキングでも筋トレでも何でも構わないので、とりあえず体を動かしてみるのが解決への近道です。（※あくまで骨や筋肉に明確な損傷があるときは別です）
また、「腰痛になったら安静に」といったアドバイスもよく聞きますが、これまた全く効果は確認されていません。じっとしていても時間の浪費なので、試しに軽いウォーキングなどをしてみて、自分の身体にどんな変化が出るかをチェックしてみると良いでしょう。
今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。
