お疲れ様です。今回は「給料の多さや仕事の楽さは関係ない!?会社選びにおける定番の失敗」についてお伝えします。
給料の多さは、幸福感や仕事の満足度とはほぼ無関係
収入の多さで仕事を選びたくなるのは自然なことだと思います。「とりあえず給料が高い求人から優先的に探す」という人も少なくないでしょう。
ところが、幸福度アップの点では問題があります。給料が多いか少ないかは、私たちの幸福や仕事の満足度とはほぼ関係が無いからです。
代表的なデータは、フロリダ大学などが行なったメタ分析です。
フロリダ大学のメタ分析は「お金と仕事の幸福」について調べた先行研究から86件を精査した内容で、アメリカ、日本、インド、タイなどのあらゆる文化圏から集めたデータを使っています。お金と幸福に関する調査としては、現時点で最も精度の高い結論と言えるでしょう。その結果は次のようなものです。
- 給料と仕事の満足度は「r=0.15」の相関係数しかない
相関係数は2つのデータの関係を表す指標で、この数が1に近いほど関係が強いとみなされ、多くの場面では0.5以上の値を取れば「関係がある」と判断されます。
0.15という数値はかなり小さく、統計的には「ほぼ無関係」と言えるレベルです。日常的な言葉で言い換えれば「給料が高くなれば仕事の満足度はほんの少しだけ上がるかもしれないが、現実的には意味が無い」ぐらいの意味になるでしょう。
「金で幸せは買えない」とは言い古された言葉ですが、科学的には紛れもなく真実だったようです。
仕事の楽さで選ぶと、幸福感を大きく下げる
誰でもハードな仕事は嫌かと思います。できるだけ負担の少ない仕事を選びたくなるのが人情でしょう。
月の残業が80時間を超すようなハードワークの弊害は言うまでもなく、仕事のストレスが大きい人は脳卒中や心筋梗塞などにかかりやすく、そのせいで早死にのリスクも高いことが多くのデータで分かっています。
仕事が楽でストレスがなければリラックスして作業に取り組めますし、パフォーマンスが上がりそうな気もしてくるでしょう。
しかし、これも幸福度という点から見れば大きな間違いです。ストレスが体に悪いのは確実なものの、その一方では「楽すぎる仕事」もまた、あなたの幸福度を大きく下げてしまいます。
3万人の公務員を対象にしたイギリスの研究によれば、組織内で地位のランクが最も低い人は、ランクが高くより重大な仕事を行う人に比べて死亡率が2倍も高かったそうです。
これは人間以外の種族にも見られる現象で、ケニアのサバンナで暮らすバブーンを調べた研究でも、仕事の少ない個体ほどストレスホルモンの量が多い傾向が確認されています。どうやら、仕事の負荷が低いからといって必ずしも精神的に楽になれるわけではないようです。是非、参考にしてください。
今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。