お疲れ様です。今回は「カロリーの質にこだわり、ダイエット効果を最大限に高めよう!」についてお伝えします。
カロリー量や三大栄養素よりも大事なこと
健康的な食事を目指そうとするとき、多くの人が考えるのは「カロリー制限」や「脂肪や糖質を減らす」などでしょう。確かに、体型を変えるにはカロリーを減らすしかありませんし、過剰な脂肪や糖質を減らすに越したことはありません。
しかし、近年の科学で重視されるのは、実は「カロリーの量」よりも「カロリーの質」です。量より質にこだわることこそが、健康への近道だと考えられているのです。果たして、「カロリーの質」とはなんでしょうか?
2015年、アメリカのイエール大学から、「一番健康にいい食事法を決めることはできるのか?」というタイトルの論文が出ました。
これは、食事法について調べた過去の実験データを端から集め、その中から健康のために最も重要な要素をより分けたもの。ここで比較された食事法は、次のようなものです。
- 糖質制限食:炭水化物を減らす
- 低脂肪ダイエット:脂肪を減らす
- バランスダイエット:1日に必要なだけの栄養素をまんべんなく摂る
- ベジタリアン:主に野菜だけを食べる
- その他の流行したダイエットなど:グルテンフリー、ローフードダイエット、マクロビオティックなど
要するに、糖質制限やバランス食といった食事法のなかから、「最も病気にならず健康に過ごせる方法」を選んだわけです。調査した論文の数は167件にものぼり、データの信頼性は高いと言えます。
最強の食事法に共通する3つのポイント
それでは、まず研究チームの言葉を引用します。
「いまの社会では、食事はとても重要な要素だ。ちゃんとした食事は寿命を延ばし、病気のリスクを大幅に減らし、さらに遺伝子の働きも改善してくれる。そんな状況のなかで、色々な食事法がメリットを競い合っているが、科学的な証拠をベースに考えれば実はどの食事法も基本はほぼ同じだ」
世間で人気の食事法には、それぞれ良い点と悪い点があります。例えば、糖質制限が意外と危険だったり、ベジタリアンに栄養不足の危険性があったりするのです。
しかし、科学的なデータをしっかりとより分ければ、全ての食事法に共通する重要なポイントは限られます。そこさえ押さえてしまえば、他のことは気にしなくても十分に健康になれる、というわけです。
それでは、全ての食事法に共通する最重要ポイントとはなんでしょうか?結論は以下の3つです。
- 自然のままの素材から作られた食事ほど良い=あまり加工されていない食べ物ほど健康になれます。
- 野菜が多い食事ほど良い=特に葉菜類を豊富に食べるのがポイントです。
- 肉と魚は品質のよいものを厳選する=肉と魚の質は、動物の生育環境に大きく左右されます。
とにかく野菜を中心にしつつ、良い肉と魚を選び、できるだけ自然のままの食事をするのがベストだというわけです。ある意味で平凡な結論ですが、そのぶん感覚的に受け入れやすいのではないでしょうか。
質の高いカロリーを摂ることが最高の食事法
この食事法を、イエール大学の研究チームは「カロリーの質を高める」と表現しています。再び研究者の言葉を引きましょう。
「カロリーは大事か?と尋ねる人は多い。もちろんカロリーは大事だが、この質問はやや見当違いだろう。本当に重要なのはカロリーの質だ。質の高いカロリーを摂ることが、おそらくは唯一にして最高の食事法なのだ。」
「決して脂肪は私たちの敵ではない。砂糖や小麦といった穀物も悪者ではない。特定の間違った食事法があるわけでもないし、絶対に体にいいという食品や栄養があるわけでもない。おもに野菜を中心に、未加工の食品を食べること。それだけで約8割の慢性病を減らせるだろう」
確かに、いくら炭水化物や脂肪の量を減らしても栄養バランスの悪い食事が治るわけではありません。逆に言えば、炭水化物や脂肪を増やしながらバランスの良い食事をすることも可能でしょう。
カロリーや三大栄養素のバランスを気にする前に、まずは自然に近い食事を意識するほうが先なのです。
が、ここで「自然に近い食事ってどう判断すればいいの?」という疑問を持った方も多いでしょう。いまコンビニやスーパーに並ぶのは、カラフルなパッケージに包まれた加工食品ばかり。どこまでがOKなのかを判断するのは簡単ではありません。
そこで、ここでは加工食品のレベルをご紹介します。基本的には、加工度のレベルが高い商品ほど健康の維持には良くないため、できるだけ減らしていくのが無難です。
- 加工レベル1:生の野菜や肉、魚などの生鮮食料品。カット野菜やローストナッツのように、最低限の処理をしたものもふくまれる
- 加工レベル2:栄養や新鮮さが残った状態でパッケージされたもの。トマト缶、サバ缶、冷凍フルーツなどがふくまれる
- 加工レベル3:素材に後から味や食感を付け足したもの。人工甘味料、オイル、着色料、保存料など
- 加工レベル4:包装から取り出してすぐに食べられる、または最低限の調理で食べられるもの。スナック菓子、冷凍食品、ランチョンミートなど
以上のガイドラインに従って、できればレベル1~2までの食品だけで暮らすのが理想です。
この基準からすれば、例えばコンビニのカットサラダはレベル1なので合格。一方でスナック菓子やゼリーなどはレベル4なので失格。いくら「体にいい」と宣伝されていようが、「カロリーメイト」のような健康食品もNGです。
もちろん、これで完璧にカロリーの質を判断できるわけではありませんが、あまり神経質にならなくて構いません。ストイックにやりすぎてもストレスが溜まってしまうので、全体の食事の8割ぐらいをレベル1~2の食品で済ますように心掛ければOKです。
ほうれん草や小松菜など、緑色の野菜を普段の食事に増やすだけでも、あなたの体は自動的に決められた仕事をするようになり、病気の発症率は大きく下がります。この基本さえ守れば、もうメディアの情報に惑わされることもなくなるでしょう。
今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。