お疲れ様です。今回は「腸内環境が大幅に改善!お通じやコレステロール低下にも繋がる食物繊維の凄まじい体調改善効果」をお伝えします。
食物繊維で早期死亡率や癌の発症率が低下
食物繊維の効果といえば、お通じの改善やコレステロールの低下などが有名ですが、ここ数年の研究により、それだけに留まらないポテンシャルを持つことが分かってきました。代表的なのが、2015年に中国が行ったメタ分析で、180万人分のデータを精査し、食物繊維の効果について信頼性の高い結論を導き出しました。
食物繊維の消費と全原因、心血管、および癌の死亡率:コホート研究の系統的レビューとメタアナリシス-PubMed (nih.gov)
その結果は驚くべきもので、食物繊維の摂取量が多い人は、少ない人に比べて早期死亡率が23%も下がり、癌の発症率は17%程低下。更に炎症性の病気にいたっては、43%もリスクが下がるというのです。
データによれば、食物繊維の摂取量が1日10グラム増える毎に早期の死亡率が11%ずつ減っていきます。ヘタなサプリや健康食品を飲む前に食物繊維を増やしたほうが、よほど病気の予防になりそうです。
食物繊維を増やすには、まず野菜と果物の摂取を増やすのが基本です。なかでもキノコ類、ゴボウ、寒天、海藻、オクラ、リンゴなどは、腸内細菌が好きな水溶性の食物繊維を豊富に含む優良食材。和食に使われる食材には食物繊維が豊富なケースが多く、和風の食事を心がけていれば自然と摂取量も増えていきます。適切な食物繊維を摂るのが難しい場合は、サプリメントの活用を考えてください。食物繊維のサプリは多種多様ですが、信頼の足るデータで代表的なものを紹介します。
「難消化性デキストリン」で排便の改善
ダイエット系のトクホ飲料などによく使われている食物繊維です。小麦の精製過程で余った繊維を使っているため安価で手に入ります。90%以上の難消化性デキストリンは大腸まで到達し、そのうち半分が腸内細菌のエサになります。臨床試験の数も多く、とある実験では1日12グラムを2週間ほど飲み続けた被験者に、排便の回数に改善が見られています。毎日の摂取量を増やしたい場合は、難消化性デキストリンを買うのが最適でしょう。
「オオバコ(サイリウムハスク)」で糖尿病の改善効果
オオバコの種子から作られた食物繊維です。オオバコの種皮は70%が水溶性食物繊維で、種子には不溶性食物繊維が含まれています。不溶性食物繊維は腸内細菌のエサにはなりませんが、腸を刺激して消化活動を高める働きを持ちます。オオバコのメリットは、研究の信頼性が高いことです。103名の子供を対象にした実験でリーキーガットの改善が見られたり、35件のメタ分析で糖尿病の改善効果が認められたりと、質の高い報告がなされています。難消化性デキストリンより水に溶けにくいので、ゼリーなどの材料として使うと食べやすいでしょう。
「イヌリン」でダイエット効果
フルーツと野菜に多く含まれる食物繊維です。他の食物繊維と比べてダイエット効果の報告例が多く、48名の男女が1日21グラムのイヌリンを飲んだ実験では、12週間で体重が1kg減ったとの報告が出ています。体重が気になる方は試してみてもいいでしょう。
オリゴフルクトース補給中の体重減少は、太りすぎおよび肥満の成人におけるグレリンの減少とペプチドYYの増加に関連しています – PubMed (nih.gov)
「レジスタントスターチ」で腸内の酪酸量増加
小腸で吸収されないデンプンの一種で、数ある食物繊維の中でも微生物の大好物です。レジスタントスターチの特徴は、腸壁を守る「酪酸」という物質を作り出す作用が高いところです。あるメタ分析では、およそ1日30グラムを摂り続けることで、腸内の酪酸量が増えることが分かっています。近年ではレジスタントスターチの有効性を示すデータが多く、トウモロコシやジャガイモ由来のサプリも増えてきました。先のメタ分析を参考に、まずは1日30グラムを飲むことからスタートしてみましょう。
健康な成人の腸機能に対するレジスタントスターチ補給のプラスの効果:ランダム化比較試験の系統的レビューとメタアナリシス – PubMed (nih.gov)
腸内細菌は、加工食品が大の苦手
最後に、極めて大事な注意点をひとつ。私たちの腸内細菌は、加工食品が大の苦手です。中でも高脂肪で食物繊維が少ない食品(ファストフード等)や、精製糖の多い商品(スナック菓子や清涼飲料水など)の摂取量が増えるほど、腸内細菌が死にやすくなることが分かっています。絶対に摂取してはいけないとは言いませんが、せめて全体の食事量の10~20%までに抑えてください。
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