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身体と脳が崩壊!?寝不足の蓄積による睡眠負債の恐怖と改善方法

お疲れ様です。今回は「身体と脳が崩壊!?寝不足の蓄積による睡眠負債の恐怖と改善方法」をお伝えします。

睡眠不足が続くと債務超過となり、身体が破壊される

睡眠負債」という言葉があります。これは睡眠の量を借金に例えた表現で、毎日の寝不足が少しずつ溜まっていくとやがて債務超過に達して様々な疾患を引き起こすのです。多くの臨床試験で影響の大きさが分かってきました。

睡眠負債が恐ろしいのは、本人も気づかぬうちにじわじわと債務が増えていく点です。例えば1日ごとに20分ずつの寝不足が続いた場合、最初のうちは借入額が少ないので気が楽ですが、放っておくうちに返済できなくなって家計が破綻。心疾患やうつ病などの症状が出た時には手遅れになります。

このような現象が起きるのは、睡眠に日中のストレスを回復させる働きがあるからです。私たちが眠りにつくと、脳は45~60分以内に完全休憩の状態に入り、骨と筋肉の成長や免疫システムの強化等の作業を行います。更に1~2時間が経過するとレム睡眠に切り替わって今度は大脳が活動を始め、日中の様々な体験や記憶が呼び起されて全ての情報を処理していきます。一晩寝れば前日の嫌なことを忘れやすいのは、睡眠が記憶を整理整頓してくれるからです。

しかし、長期にわたって睡眠負債が続くと、身体と脳が受けたダメージを修復する時間が無くなります。処理されずに残った疲労やストレスは少しずつ体を破壊し、最終的には取り返しのつかない炎症等に変貌するのです。

睡眠負債は、自覚がないまま債務が嵩むので、改善のためには自分が良い睡眠を取れているか判断する必要があります。そこで参考になる、専門家の意見が一致した「良質な睡眠」のサインは次のようなものです。

  • 眠りにつくまでの時間が30分以内
  • 夜中に起きるのは1回まで
  • 夜中に目覚めた場合、20分以内に再び眠ることができる
  • 総睡眠時間の85%以上を寝床で使っている(別の場所での居眠りなどの合計が15%未満)

National Sleep Foundationの睡眠の質に関する推奨事項:最初のレポート-Sleep Health:Journal of the National Sleep Foundationの (sleephealthjournal.org)

以上の全て満たすことが「良質な睡眠」の最低条件で、一つでも当てはまらない箇所があれば睡眠負債の可能性が高くなります。以上を踏まえた上で具体的な対策を紹介します。

自然との接触とメラトニンで体内時計をコントロール

メラトニンは、体内時計をコントロールして私たちを自然な眠りに誘うホルモンです。通常は日が沈んだころから血中濃度が増え始めますが、夜中まで人工照明に照らされた状況では分泌のタイミングが遅くなることが分かっています。夜になっても眠れない現代人が多いのは、メラトニンの分泌タイミングのせいです。

そこで睡眠の改善で最も重要なのは「自然」です。人類は古代から豊富な自然音と木々に囲まれながら眠ってきたため、自然の中にいるだけで私たちの身体は睡眠の質が上がるデザインになっています。

睡眠負債を返すには、まずは日中に太陽の光を浴びる時間をできるだけ増やし、夜は室内の照明を限界まで暗くし、スマホ等のデジタル画面を極力見ないように努めて下さい。これに加えて定期的にキャンプでメラトニンのメンテナンスを行えば、少しずつ睡眠負債が減っていきます。

また、定期的にアウトドアに行くのが難しい場合は、メラトニンのサプリメントを飲むのも有効です。ホルモン剤の一種なので効果は大きく、数多いサプリの中でも安全性が高い成分です。

治療抵抗性概日リズム睡眠障害の子供におけるメラトニン療法の長期有効性結果 – PubMed (nih.gov)

用法としては、寝床に入る30~120分前に0.5mgを飲みます。それでも効果がみられなければ、1週間毎に0.5mgずつ増やしていき、様子をみながら最大5mgまで摂取量を増やしていきます。メラトニンの購入先は、「iHerb」がおすすめです。私も寝つきが悪いときはナイトレストを愛用しています。

iHerb – ビタミン、サプリメント、自然健康製品

昼寝でリフレッシュし、睡眠負債も返済

睡眠負債は知らぬ間にコツコツと積みあがっていくため、返済もコツコツと行うのが重要になります。そこで使えるのが「昼寝」です。注意力や論理思考などの大幅な改善が見込めて、多くのデータでは1回15~30分ほどでリフレッシュ効果が得られています。

「20分だけ眠るのは難しい」と感じるかもしれませんが、そこは心配無用です。とある実験では、目を閉じて15分休んだだけでも睡眠の時と似たような脳波が表れ、記憶テストの結果も向上したとの結果が出ています。

昼寝が苦手な人でも、とりあえず15分だけ目を閉じて何もしない時間を作ってみましょう

コーヒーナップ(カフェイン)で昼寝の効果アップ

また、昼寝のリフレッシュ効果を高める方法として「コーヒーナップ」というテクニックがあります。やり方は簡単で、15~20分の昼寝の直前にコーヒーを飲むだけです。カフェインが脳に達するまでに20分程度かかるため、コーヒーを飲んでから20分後に目を覚ますと、昼寝のリフレッシュ作用にカフェインの刺激が組み合わされて相乗効果をもたらしてくれます。昼寝の効果を高めたい方はぜひ試してみてください。

カフェイン、明るい光、日中の短い昼寝後の洗顔のアラート効果 – ScienceDirect

今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。

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Takaブログ
ストレスによる体調不良をきっかけに、体調管理・ヘルスケア・心理学等に関しての情報収集及び実践を繰り返しながら、日常生活のパフォーマンス向上に努めるようになった。 このブログでは上記の内容を中心に「科学的根拠のある情報」を発信しています。