お疲れ様です。今回は『肥満やメタボ改善!脂質と糖質を自由に切り替える「代謝柔軟性」と、筋肉量を増やしてダイエット効果』についてお伝えします。
代謝柔軟性が壊れると肥満やメタボになりやすくなる
「代謝柔軟性」という考え方があります。人間のエネルギー源には脂質と糖質がありますが、これを自由に切り替える能力のことです。
1950年代の沖縄の方や一部の狩猟採取民は、イモを食べる生活を送っていました。そして、炭水化物からエネルギーのほとんどを摂っていたにもかかわらず、長寿で健康でした。また、お米などの穀物をつくれない地域に暮らす人たちは動物の肉ばかりを摂っていたりしましたが、健康に問題はありませんでした。
この差が代謝柔軟性なのです。もちろん、タンパク質・脂質・糖質のバランスが良いに越したことはないですが、代謝柔軟性が正しく働いていると、そのバランスが崩れたとしてもエネルギー源として切り替えることができるようになります。
人間の身体は基本的に、エネルギー源を柔軟に切り替えることができます。たとえば、お寿司は脂質と糖質のバランスがとても良い食べ物です。脂ののった魚と酢飯による完成された食品なので、普通はお腹いっぱいになって、満足度は高くなるものです。
ところが、代謝柔軟性が壊れていると、このようなバランスのいい食事を食べても、すぐにお腹が減ります。脂質から糖質、糖質から脂質へのエネルギー源の切り替えがうまくできないので、身体はエネルギーが足りていないと考えて、空腹を感じてまた食べようとするのです。
そのため、代謝柔軟性が壊れている人は肥満になりやすく、メタボになりやすいことが、様々な研究から分かっています。では、この代謝柔軟性を保つためには、どうすればいいのでしょうか?
人間の身体はインスリンの量に応じて代謝のスイッチを切り替えるという構造ができていますが、食べ過ぎや運動不足によりインスリンが効かなくなると、そのスイッチを切り替えることができなくなります。そうなると代謝柔軟性が落ちてしまうのです。
筋肉量が多いと代謝柔軟性が高く、ダイエット効果にも
また、筋肉がとても重要で、人間の身体の代謝の4割程度を使っています。しかも、糖質や脂質を筋肉の中に取り込む機能も持っています。筋肉が増えるほど、余分な脂質が体の中に入ってきても、それを筋肉が上手に処理してくれるので、身体はダメージを受けにくくなります。ですから、筋肉量の多い人のほうが、基本的には代謝柔軟性は高くなります。
ところが、「筋肉が付くのが嫌だから」と、筋トレもしない女性が糖質制限を始めると、代謝柔軟性が壊れてしまいます。代謝柔軟性が壊れると、一生懸命ダイエットしているのに、なかなか痩せないということが起こるのです。これが、長年ダイエットしているのに痩せない人の特徴です。
女性は、男性ホルモンが少ないので、そう簡単には筋肉は太くなりません。パワー系競技の女性アスリートは、むしろ筋肉を増やしたくて苦労しているくらいです。よほど激しく筋トレをするような場合を除けば、基本的には筋トレすれば細くなります。
トレーニングジムで1回だけ筋トレして「太くなった!」という方もいますが、これは水分が移動して一時的に膨らんだだけです。筋トレ続けていると代謝柔軟性も上がるので、食欲のコントロールもできるようになり、ダイエットも楽に続けやすくなると思います。
そして、糖質制限を行ったときに、風邪に似た症状を覚えた場合は一度止めた方が無難です。それは代謝柔軟性が壊れているというサインの可能性があるからです。
糖質制限を推奨されている方のなかには「頭がぼんやりするような症状も段々慣れてくるから大丈夫」という人もいます。ですが、そんなものに慣れる意味なんて、あるのでしょうか。
代謝柔軟剤が壊れたらエネルギーをうまく扱えなくなっているわけですから、そもそも慣れてはいけないですし、摂取カロリーが減っているから痩せるだけであって、糖質制限の効果で痩せるわけではありません。更には睡眠の質まで下がってしまいますので、やはり糖質は適度に摂った方がいいと思います。
今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。