お疲れ様です。今回は「手軽なエクササイズで脳力向上、見た目の若返りと美肌効果」についてお伝えします。
運動がアンチエイジングに欠かせないことは言うまでもないと思います。近年では特に若返りの効果を示したデータが増えており、そのなかでも様々なメリットがあります。
見た目の若返り
マクマスター大学の調査によれば、定期的にエクササイズをしている人は、40~50代を過ぎても、皮膚バリア機能を持つ「角質層」が厚く、運動をしない20~30代の肌と大きな違いは見られませんでした。
この効果は高齢者でも変わらず、運動神経がない65歳以上の男女が1回30分のジョギングを週2回のペースで続けた場合、3か月で肌の水分やコラーゲン量が20~40代のレベルまで復帰したと報告されています。
テロメアの維持
テロメアは染色体の末端にある保護キャップのようなもので、歳を取るにつれて短くなり、そのせいで細胞が老化していきます。
最新の研究では、定期的な運動とテロメアの長さに関係が認められており、結果として長寿に繋がる可能性が示唆されました。
脳の海馬が大きくなり、脳の情報処理能力が向上
通常、私たちの脳は40代から前頭葉や海馬(脳の記憶を司るエリア)が縮みはじめ、記憶力、モチベーション、創造性の低下が起こります。
ところが、55歳以上の男女を対象にした研究では、1日30分程度の有酸素運動を週に4~5回したところ海馬のサイズが大きくなっていました。
また、6か月の有酸素運動プログラムに参加した男女の脳の情報処理力が上がる現象も確認されています。
運動の効果は健康の維持だけに留まらず、美肌を手に入れるためにも、細胞レベルの老化を防ぐためにも、高い知性を保つためにも重要な役割を果たします。
手軽なウォーキングがおすすめ
ウォーキングは、手軽さと効果のバランスが最も良いエクササイズです。そのメリットを実証したデータは無数に存在しますが、特に精度が高いのはハーバード大学などによる2019年の論文です。
研究チームは、36383人分ものデータをもとに運動量と死亡率の関係についてメタ分析を行いました。メタ分析は過去のデータをまとめて大きな結論を出す手法で、科学的根拠としては非常に信頼性が高い研究法です。分析の結果は、次のようなものでした。
- ウォーキングなどの軽い運動をよく行う人は、全く運動をしないグループに比べて死亡率が62%低くなる
- 座ってばかりで身体をほぼ動かさない人は、ウォーキングなどの軽い運動を行う人に比べて死亡率が263%アップする。特に座りっぱなしの時間が1日12時間以上の人は死亡率が292%高くなる
加速度測定による身体活動と座りがちな時間とすべての原因による死亡率との間の用量反応との関連:系統的レビューと調和のとれたメタアナリシス |BMJの
このデータによれば、ウォーキングの効果は「1日375分」まで増え続けます。といっても毎日そこまで歩くのは現実的ではないため、「1日にどれぐらい歩くと、どのようなメリットを得られるのか?」のガイドラインを見ておきましょう。
- 最低限の肉体維持は1日8分
49歳以上の男女1564人を対象にした調査で、普段の活動に1日8分のやや早足のウォーキングを毎日行うと、高齢になっても十分な肉体機能を維持できるとの結果が出ています。
- メンタルの改善を狙うなら1日10分
33908人を11年追跡したデータによれば、毎日10分前後のウォーキングでメンタルが落ち込むリスクが12%減ります。
- 早期死亡を防ぐなら1日20分
1日のウォーキングが20分を超えたあたりから早期死亡率が減り始め、1日100分で効果が最大化するとの報告が、アメリカ国立がん研究所から出ています。
- 脳機能をアップしたいなら1日40分
2010年のメタ分析では、1日40分のウォーキングを週に3回行うことで、高齢者の認知機能が改善することが分かりました。
- 死亡リスクを減らすなら1日60分
先に見たハーバード大学のメタ分析により、1日60分のウォーキングで、体を動かさない人より死亡率が40%低くなる傾向が確認されました。
以上を参考に、日常生活で取り組める範囲で実施してみてください。
私も2日に1回のペースで森に行って、30~40分のウォーキングを継続するよう心掛けています。ウォーキングの効果と同時に森林浴の効果も得られるので、家の近くに森がある方は特におすすめです。
今回の内容は以上になります。ご閲覧ありがとうございました。
今後も役に立つ情報を発信していきます。